2010年3月19日

Galette

トゥーストゥースダイニングガーデンのガレット。そば粉のクレープの上に料理を載せたもの。イマイチ良さが分からん。

 また森枝卓士さんの本を読み始めた。守備範囲が東南アジアだけじゃないことにちょっと眩暈を感じている。森枝さんは食文化に関するルポライターだけれど、学術的な評価もあるし、写真も上手し、装丁も手がけるという個人的には師匠と呼びたいような人だ。近所に住んでる筈の石毛直道さんから食文化の面白さに入って行ったが、まだまだ現役の森枝さんは目が離せないなと改めて感じている。

 さて、ガレットという聞きなれない食べ物、上の写真は三宮にあるトゥーストゥースダイニングガーデンというところで以前に食したものだ。その時はこれって何だろうという疑問があってそのままになっていたのだが、「ヨーロッパ 民族食図鑑」という本を読んでいると出てきました。

 ガレットを主に食べているのはフランスのブルターニュ地方なのだが、ここに住んでいるのはイギリス本土(本島)から押し出されたケルト系の民族なのだそうだ。多分、当時は辺境とも云えるブルターニュ地方は寒冷で日照が少なく、開梱したての土地は貧栄養で穀物は蕎麦、果実は林檎しか作れなかったそうだ。その名残りがガレットであり、シードルなんだそうだ。

 ということで、ガレットは裕福な人が食べるようなものではなく、サイダーもワインの代用品でしかない訳で、上の写真のようにレストランで仰々しく供せられるなんて、ガレット自身もお尻がこそばゆいかもしれないなぁ。

 いろんなものにいろんな歴史があるんだなとシミジミ思った次第。食文化は面白い。

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