2010年9月29日

ベジタリアンを軽んじたらアカン

酒井美代子著「世界のカレー料理」は、いい本だが、ベジタリアンビリヤニに肉を乗っけているのが信じられない。ベジタブルビリヤニなら問題ないのに。

 野菜を使ったビリヤニをベジタリアンビリヤニと表記した上に、タンドリーチキンを添えるというのはベジタリアンにとっては嘔吐レベル。ベジタリアンというのは色々な考え方があるものだけれど、基本的には肉を食べられない、もしくは食べてはいけない人たちだ。

 特にビリヤニを食べる地域のベジタリアンは肉を食べると社会的に穢れる人たちがいる。動物性蛋白の摂取は牛乳だけだったり、村全体が肉食経験がないというのもあるらしい。この穢れの感覚は、我々が客に室内に土足で上がってきたり、食事中に吐かれるような感覚に近い。昔の日本人だって地域によっては左手で食べるのを忌み嫌っていた。

 自分自身も最近は野菜だけの料理を作ることが多いのでだんだんと肉料理が心苦しくなってきた。種蒔して育ててるフェヌグリーク(メーティー)に関しては煮込んだり砕いたりするのが心苦しい。自分の場合は感覚でしか無いが、中には根菜の根っこを食べないという徹底した宗教に属する人も居る。

 ということで、食というのは文化や人の生き方に繋がるので、軸をぶらすような事をしちゃいかん、アカンのだ。

 本そのものは世界各地のカレーの作り方が紹介されていて面白いんですけどね。

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