2018年5月25日

ベテランの視点、所作を可視化する作業に取り組む


非効率な業務は家内製手工業に似ている

2年連続で新任者に業務を教える担当になった。教えるのは嫌いではないので苦痛ではないのだが、教えるという事に関して色々と考えることになる。

今の業務は電算システムがOAと呼ばれていた頃に構築され、使い勝手にパラダイムシフトもなく現在に至るというレガシーを通り越してエインシェント(ancient)なものだ。石ですり潰していたものを薬研を使うようになったみたいな。

業務を教えるというのがなかなか厄介で、名ばかりシステムを使う為には 使用者側が どう使うという判断を条件分岐しなければならない。なので新しい条件が出てきた時に使い方を解説しなければならないのだ。

こういう判断基準になる部分というのは日常に埋もれて記録されにくいし、覚えたらおしまいなのでなかなか文書化されにくい部分だ。覚えた後は繰り返し繰り返し同じ事をし、そのなかで出てくる例外を糧に経験値と適応力を上げていく感じ。

この方式の欠点はいくつか(いくつも)あるのだが、主なものは

  • 経験しなかった事は初任者と変わらない。
  • 効率化が個人的努力目標になりがち。
  • 個人間に能力や理解のバラツキが生じる。
こういう問題は今の業務特有のものではなく、家内製手工業的な分野では普遍的な課題だ。これを解決するためのアプローチの研究は色々あるがよく言われるのが、
  • 見える化
  • 標準化
辺りだろう。今回はシステムによる効率化は期待できないので人力部分の改善を試みることにする。

ベテランは何を見ているのか(=初任者は何を見落とすのか)

 ベテランと初任者の大きな違いというのはイレギュラーに気が付くかどうかという点だと思う。イレギュラーに気が付くというのは内容の相関性に違和感を感じるという事。複数の値がある時にその中の一部の数字に何か不整合が生じている可能性を発見できる能力というのは内容を見ながら値間の相関性を頭の中で計りそれがズレた場合に違和感となって発露する。
 それは単に経験があるから感じるというものではなく、値を再現するように自然に順を追って値を追いかけていっているから気が付きやすい。初任者が見落としやすいというのは相関性を確認できるような見方を知らない、確立するのに十分な経験が不足しているからだ。


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