2009年6月11日
ネパール人シェフとインド料理
「世界の食文化〈8〉インド」という本を読み終えた。そこには、ヒンドゥー教徒というか、インド社会が持つ浄・不浄感に関する解説がたっぷりあり読み応えがあった。その結果、なぜインド料理屋にネパール人が多いのかという点について納得が行った。要は、ネパールはヒンドゥー教だけの国ではないので、食のタブーがインドよりも緩いため、日本のような超雑食文化圏でも抵抗がないのだろう。
ヒンドゥー教の浄・不浄感と清潔感はまったく異なるもので、豚の不浄性はどうあっても浄化できるものではなく避けることしかできない。人との接触は未知の不浄なものとの接触を意味し、基本的には個食だし、コップに口さえ付けない。祭りで料理を振る舞うためには浄性が最も高いバラモンに依頼しなくてはならないのだという。不浄なものを食べない、触れないなどは社会からの要求であり、個人が不浄になることが自分の属する社会全体を不浄化してしまう恐れがあるのだそうだ。
浄性の高さは様々な決まりごとがあり、例えば、食器であれば銀が一番で、次がステンレスか、バナナの葉でなのだそうだ。理由は金属は汚れを熱で払うことができるし、バナナの葉は、捨てられるから。なので、インド料理に木の皿が使われることはないだろう。
そこで、我が身を思い返すと、チャルテ・チャルテやティフンが売りにしているカレーを味見してから辛さを調整してくれるというサービスがとてつもなく不思議なものに思えてくる。なぜなら唾液は非常に不浄なもの(左手よりも)と見なされているため、インドでは他人が口を付けた食べ物を触ることを忌避すべき事項だからだ。インドでは料理用の食器を洗う場所と、料理用の食器を洗う場所が分かれているぐらいなのだ。
いくら料理人でもインド人なら得体もしれない日本人が口を付けた(唾液が付いたであろう)料理をまた調理し直すなんて、自分の身をインド人に置き換えて考えてみたら身の毛もよだつ行為のような気がする。
なので、ネパール人のシェフが重宝されるのかなと思ったり。
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