ja.wikipedia の運営に参加しているのですが、今日はなんともトホホなことがありました。上のクロスズメバチの写真を提供している「スズメバチ」の項目の名前の由来に、
「スズメバチの名は、[[スズメ]]くらいの大きさのハチの意味で、他より大きなハチということでスズメバチと呼ばれるようになった。地方によって「クマンバチ」(熊蜂、[[クマバチ]]とは別種)や「カメバチ」(巣の形より)等、いろいろな名前で呼ばれる。。 しかしながら実際にはスズメ位の大きさの蜂はあまり見かけられない。ましてや熊ほどの大きさの蜂は絶対いないといって良いだろう。したがってこの名称の付け方は大げさであるといえる。」
というなんとも奇妙な文脈が書き込まれていました。ちなみに、ここで勝手に引用してなんと、行儀が悪い!と思う人が居るかもしれませんが、wikipediaに書かれた文章は、例えノートに書かれたコメントであっても GNU Free Documentation License なので問題はないのだ。
ここで、非常に好ましくない事態に陥りかけているのが、実はwikipediaの最大の弱点だ。例えば、ここでキツイ文句を言って、相手を攻め立てて紛争状態になったり、相手の文章を消したり、同じ文章を書き直し続ける編集合戦になってしまうと、項目は保護下に置かれ、記事が死んでしまうのです。
そういう自体を避けるため、相手に納得してもらいたいところなので、頑張ってノートに書き込みをしました。
「名前の由来セクションにおいて、
熊ほどの大きさの蜂は絶対いない云々という記事が書かれていますが、単なる主観的な意見であり、記事として相応しくないともいます。名前が付けられる過程にはそれぞれに経緯があり、大きさだけで決まるものではありません。大きさの象徴として使われること(e.g.クマバチ)もあれば、形が似ているもの(e.g.ゾウムシ)に使われるものなど様々な由来があります。それを大きさが実際のものと異なるということを理由に不適切だというのは無意味な個人的な意見であり、他者から参照される内容としては不適切ですので、削除されるべきだと思います。」
すると、しばらくして、
「熊ほどの大きさの蜂はあまりみかけないといって良いだろう」という表現に変えられた....。頭痛い...。
まぁ、全然という言葉の使い方が変わっていくような昨今、まれに熊ぐらい大きな蜂に会うこともあるかもしれません。
ちなみに、歴史上一番大きな昆虫といわれているのがメガネウラというトンボ。羽根を広げると70cmに達する。現存する昆虫では、ナナフシの仲間が30cmほどの体長のものがいる。外骨格の昆虫はあまり大きくなると自重に耐え切れないので小さく体になっている。
ちなみに、世界最大のハチは日本に住むオオスズメバチで通常4cm、女王蜂だと5cmにもなる。
これはクマバチ。体が大きいし、ツキノワグマの様に黒くて毛深い(ツキノワグマの英名は、Japanese Black Bear)。
4 件のコメント:
色んな苦労があるのですね。
主観的表現と客観的表現の違い、しっかりと理解している日本人は、恐らく少数派ではないか?と思います。
この違いを執筆者、つまり書き込みをする人が理解していないと、おかしな事になってしまうのですが、端から見ると「主観的」以外の何ものでもない文章を、投稿している方は「客観的」と思って書いているでしょうから、なかなかこちらの意図が通じませんよね。
Wikipediaの記載内容には、時折、どう見ても個人の意見であったり、主観的な感想が、客観的文章の顔をして、載っている場合がありますよね。
「主観的表現」と「客観的表現」、利用する側も注意する必要がありそうです。
Wikipedia は結局殆どアマチュアの聞き齧りと経験でできているのですが、アマチュアだけに書いたものを残したいという意識が働くんだろうと思います。
Wikipediaは大したことない百科事典なのですが、現在のインターネット上の位置はもう無視できないところまで来てしまっているので正確な記事を書く責任というのは大きいですね。
こういったやりとりを見ていると、ヒトは仮名であっても自己顕示したがるというところが興味深いです。
僕は正しい日本語に自信が無いので写真を提供中。でも自己顕示欲に引っ張られてか、著作権まで放棄しようとは思いません。
「熊ほどの大きさの蜂はあまりみかけない」という件にはウケました。「熊ほどの大きさの蜂は絶対いない」云々は、編者のちゃめっ気で許されますが、「あまりみかけない」は明らかな間違いですよね。ご心痛、お察し致します。
それにしても、クマンバチの写真。よく撮れていますね。私は、怖くて、こんな接写は出来ない (というか、こんな近くに寄れない) のですが、望遠レンズを使っているのですか?
普通、生物というのは種によって体の大きさが決まってますので、「あまりいない」などと書かれた時点で生物関係のことに詳しい人では無いというのは分かるので本当のところはピシャッと門前払いしたいところです。それができないところが辛いですね。
クマバチの写真ですが、望遠では無くて本当に寄っています。EXIFを見ると焦点距離6mmとなっています。この蜂は花蜂の一種なので捕まえたりしない限りは刺してきません。大抵の蜂は直接攻撃したり巣に危険が迫らない限りは刺してこないです。
あと、望遠の代わりにトリミングをよく使います。最近のデジカメは画素数が多いので部分的に切り取っても結構な解像度を得られます。トリミングを邪道視する人も居るようですが、僕は気にせず使っています。
マクロは如何に低い感度(ISO)で撮るかが肝です。ISO64以下で撮れれば細部の再現性が格段に違いますよ。
コメントを投稿