2007年2月12日
シンリンオオカミ Canis lycaon
日本国内の殆どの情報源では、シンリンオオカミ(Eastern Canadian wolf)の学名はタイリクオオカミ (Canis lupus)の一亜種(C. l. lycaon)とされているが、いろいろと調べていくと、最近になって独立した種と考えられるようになったようだ。このため、亜種が昇格し、Canis lycaonが現在の学名である。
なぜ、このような状況が分かったかというと、生物の分類登録をするために NCBI Taxonomy Databese の ID を調べたところ、Canis lupus lycaon が別名(Synonym)扱いになっていたから。英語版のWikipediaでは、既に学名は新しくなっており、その変更の経緯まで記載されていた。Talk:Eastern_Canadian_Wolf
面白いことに、シンリンオオカミは、ハイイロオオカミよりもアメリカアカオオカミに近い種であるというDNA測定結果があるとのことであるが、アメリカアカオオカミ自体は、ハイイロオカミとコヨーテの交雑種なので、それが判明するまで使われていたアメリカアカオオカミの学名 Canis rufus は無効になっているという経緯がある(ややこしい)。
ということは、雑種のさらに亜種に相当するシンリンオオカミにも本来学名が付くかどうかも怪しい訳なのだが、ある程度の期間、種が固定されるような状況であれば学名を付けても良いのだろうか。
などと、専門家でもないが、つらつらと考えてみた。
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